第66話

「そして、お前は誰に狙われている?

邪悪なものが見えたが…

何をしたら、そんな邪悪なものに狙われるのか…?

普通に暮らしていたら、遭遇するようなものでもないようだが…」



あいつの姿までは見えないのか…



真緒は亜衣の占える範囲を予想した。


そして、バレることはないという結論に至った。



演技力の発揮ね!



真緒は亜衣を真っ直ぐに見つめ…




「亜衣様、お言葉ですが、私はXX会社社長令嬢でルキの恋人です。

ルキは資産家でお金持ちなだけです。

それだけですよ。

何を探っているのか分かりませんが、それ以上の詮索は無意味で失礼かと思います。」



真緒は冷静な表情を亜衣に向ける。


その様子に、亜衣は黙り込んだ。



「それもそうだな………余計な詮索だったな。

すまなかった。」


申し訳無さそうに言う。




「いいのよ。

それより、表の亜衣様は占い結果は知ってるの?」


「それは、知らないな。

他人の占い結果に干渉してしまうと碌な事にならないと知っているからな。

あくまで静観しているだけだ。」


「そうなんですか…。」


「まあよい…

ルキにも同じ結果を知らせている。

それと、相性だが…」


「はい。」



ちょっと胸が高鳴る。



相性占いは女だったら、興味がある。


むしろ、気になるレベルだ。



「ルキと真緒の相性は80%だな。

なかなか良いぞ。

しっかりお互いを思い合えて協力し合える関係だな!

ちと、ルキの独占欲が強いみたいだが…

それをお主がどう操るかだな。

良い良い。

頑張るんだぞ。」



裏の亜衣はニコッと笑った。



「亜衣様、ありがとうございました。」


「よい。

真緒、そろそろ、表の世界に帰るぞ。」



「え?」



視界がまた歪み始める。



そして、意識が混濁していく。



世界が真っ白になっていく…

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