第58話

「聞いたよ…しばらく、会社を休むんだってね。」


「はい…療養しようと思って…此処をしばらく離れようかと…」


「そうなんだね…

あの…こんな事言うのも変かもしれないけど…無事に帰ってきてね。」


「え?はい…。」



まさか、柊木さん、本当の目的に気付いている?



「また、4人で飲みに行こうね!!

カレンちゃんも退院して、佐藤さんも帰ってきたら、お祝いしよう。

なんなら、あの彼も呼んじゃってもいいし。」


「ルキのことですか?」


「そう!

みんなで飲んだら楽しいと思うんだ。」


「はい、言っときます!」


「本当に、佐藤さん、また会えるよね…?」


「柊木さん、言葉のチョイスが可笑しいですよ。

私は必ず帰ってきます。

また、飲みに行きましょう!

私、柊木さんと飲むの楽しかったですから。

じゃあ、もう行かないと…。」


「うん…またね…。」



「はい!」



笑顔で柊木に手をふる。


柊木はそれに答えるように、少し悲しげな表情で、手を振った。




また、会える…




そう




僕は思うよ。



佐藤さん、


君の笑った顔、好きだよ。

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