邪魔をする者

第54話

ピーポーピーポーと深夜にサイレンが鳴り響く。



「カレン…助かって…」



カレンが担架に運ばれて、救急車に乗せられていく。



「で…佐藤真緒さん、その暴漢者が飯田カレンさんを刺そうとしたのを目撃して、助けようとしたら、貴方も切られたと…?」


「はい…スラリとした男でした。ニヤリと笑って気味が悪いし、怖かったし…。」


「なるほど…これは、隣街の事件と関係がありそうだな…

怪しい男が居ないかすぐに、辺りを捜索しろ!」


ハッ!と警察の人たちが返事をすると、散り散りになって行く。


「佐藤真緒さん、貴方も救急車に乗って、病院で治療を受けてください。

詳しい事情聴取は後日に。

では。」


「ありがとうございました。」





救急車に乗り込み、病院に向かう。



病院につくと、直様、医師の診察があり、治療を受ける。



「傷が深い…

ていうか、よく生きていたね。

出血多量で死んでても可笑しくない傷口だけど…。」


「そうですかー…

体だけは丈夫ですから!」


「そう…。」


医師が不審がりながら、傷口を縫い合わせてくれる。




実は、ルキの魔法で血をあらかた、止めてくれた。


カレンも奇跡的に息をしていたので、ルキの魔法で治療した。


でも、入院は必須だろう。


カレンの場合は輸血も必要だ。



治療が終わり、カレンの病室に来た。



今は、酸素マスクに繋がれ、すやすや眠っている。



「巻き込んでごめんなさい…

カレン…ゆっくり休んで…。」



カレンの手を握ると、手は冷たかった。


それが余計虚しくなる。



「真緒、此処に居たのか…。」


「ルキ…」


ルキがカレンの病室に入ってきた。


「ねえ、来栖が何者か知っているんでしょう?

教えて。」


真緒はルキの目を真っ直ぐ見つめていった。



「そうだな…来栖慶は…

俺と一緒で、吸血鬼だ。」














ーーーーーーー


ガブッ!!!



「キャー!!!」


ガブッ!!



「足りない…」



「やめて…ああー!!」



ザッシュッ!!


「足りない足りない!!!

こんな血では体が回復しない!

佐藤真緒さんの血があれば、こんな体、すぐに治るんですがね!!!」



ガブッ!



幾つもの女の亡骸が来栖の周りに横たわっている…

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