第48話

ーーーーーーーー



1時間後…



「あ!!

出てきた…。」


2人は満足そうな顔でお店から出てきた。


そして、歩き出した。



「今度はどこに行くのー!!??」



真緒は慌てて立ち上がると、2人の尾行の続きをする。


ソロリソロリと微妙な感覚で後をつける。


今のところバレてはいない。



「まだ、タクシーに乗られないだけマシか…。

どこに行くのかなー…。」



しばらく尾行すると、街の景色がだんだん変わり…




「ここらへんって…ホテル街!!?」



ホテル街に来ていた。

人はまばらだった。


えー!!っと真緒は驚愕する。



「なんでー!

カレン、彼氏は良いのー!?」


一人ツッコミをする。




2人は裏路地にふらっと入って行った。


裏路地は人通りがなく街灯がなさそうだった。




「まさか…屋外で…そんなまさか…こんなにホテルがあるのに?

はは………………。」



あらぬ考えが頭をよぎる。




「行ってみよう…。」




1人で入るのは怖い気もしたが、真緒は意を決して来栖とカレンが姿を消した裏路地に行くことにした。







「暗い…。」


ロマンチックより、今の真緒は恐怖が上回っていた。


2人はどこに行ったのか探す。



すると、看板を目隠しにカレンと来栖が抱き合っていた。


「あー…変なとこ見ちゃった…。

ん????」



真緒は視線を一点に集中させる。



カレンの背中にキラリと光るものが見えた気がした。



「何あれ…?」


真緒は目を凝らす。




「あれって…」



頭の中を一瞬にして駆け巡る。




ここ数日、女性の死体が何人も発見されており…

警察の発表では女性を狙った殺人事件…

被害者女性は背の高いスラッとした男と一緒に居たとか…

住人のインタビュー…

企画課の本間典子が行方不明…






「刃物!!!!???」


勢いよく真緒の足は駆け出した!!



そしてーー



「カレン!!!危ない!!」



叫びながら、カレンに近づくと、カレンの手を掴んだ!


「真緒ッ‼??」


カレンの目が見開かれる。

そして、びっくりした表情で真緒を見た。



「走って!!!」


真緒の必死の声にカレンは訳が分からず、走り出す。


2人は来栖の前から逃げ出した。





「…あーあ…後少しだったんですが…」


来栖の口元が歪む。


「佐藤真緒さん、鬼ごっこですか…

面白い!!!」


来栖も真緒たちを追いかける。

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