第47話

ーーーーーー




会社に戻り、仕事を終わらせる。


定時になり、カレンと一緒に会社を出た。



「真緒、また明日ねー!」


「うん、デート、楽しんでねー…。」


カレンが元気に手をふる。

朝の元気の無さは何処吹く風のように、去っていく。






カレンが去ってから、真緒は洋服店に駆け込む。

そして、地味なパーカーにジーンズの服に着替えて店から出てくる。


「カレンには悪いけど、尾行させてもらうわ。

作戦A開始ね。

スパイごっこみたいだけど…。」



一人作戦を名付けて、真緒はカレンが来栖と待ち合わせている、駅前広場に来た。



人目がつかない場所に立ち、カレンと来栖が来るのを待つ。


その間に、ルキには遅くなると連絡をした。

ルキには怪しまれたが、心配させてはいけないので、カレンと少し飲みに行くと嘘をついた。





「ルキには悪いけど、巻き込みたくないし…。

あっ!」




カレンが来た。


広場であたりを見渡している。


カレンに見つからないように、慎重に様子を窺う。

緊張感が増す。



そしてーーー

その数分後に来栖がカレンに近づく。



「本当に待ち合わせ場所に来た…。

カレンのこと、ただ、狙っているだけなら良いのだけど…

この不安の正体を突き止めるまで、帰らない。」


固く決意し、2人の様子を伺う。


楽しげに会話をしているが、しばらくして、2人は歩き出した。



「行動開始ね…。」



真緒は2人に気付かれないようにこっそりと後を付ける。



2人は会話が盛り上がっているのか、笑顔を見せながら歩く。

こうしてみれば、普通のデートに見える。


10分間くらい歩くと、2人は目当てのフランス料理店についたみたいだ。


「あ…彼処のフランス料理店ねー…

高級そう…。」



高級な外観に真緒は圧倒される。


「良いなー。

私も食べたい…。」


お昼のランチから、真緒は何も口にしていない。




2人はお店に入っていた。




「何時間待てば良いんだろー…。」


真緒はしゃがみこんで空腹に耐える。

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