第43話

「あれは用意してきたかな?」



「もちろんです。

亜衣様を紹介してくれた暁には…」


ルキは札束が入ったバックを手に持ち、札束をテーブルの上にまず、一つ置く。

キラリと札束が光る。

それに、亀田はゴクリと固唾を飲む。


ルキは亀田の様子に不敵に笑う。


「まだまだですよ…」


からかうようにルキは言った。


「ああ…。

そうだね。」


亀田はハッとしてクールに装う。


「亀田さん、紹介料は100万円と見積もりますが…

俺は資産家でお金はたんまりありますからね…。」



亀田はルキの言葉のチョイスにうっとりする。


「あの巫女の亜衣様を紹介してもらうんだ…

お礼の謝礼も含めて…」


「含めて…………?」


ルキは見せつけるように札束を一つ、二つ、三つと積んでいく。


亀田の表情は恍惚と歪んでいる。


「500万円支払いましょう。」


「なんだってーー!!」


「やっぱり、1000万円でどうですか?」


「はあー…合格だ!」


「ありがとうございます。」


ルキは笑顔で亀田と握手をする。


「喜んで力になりましょう。」


「亀田さん、よろしくおねがいします。」


「いやー、ルキくんには参ったよ。

1000万なんて金額を提示されたら、従うしかないよ。

若いのに恐れ入った。」


「それで、亜衣様の占いはどうやってするんですか?」


「ああ。まずは連絡しないといけないな。

亜衣様に連絡するから、また、後日ここに来て。

ルキくんの連絡先を聞いてもいいかな?」


ルキはスマホで電話番号を表示する。

すっかりスマホの操作になれたみたいだ。


「また、後日。」


「よろしくおねがいします。」


ルキと真緒は立ち上がった。

そして、ドアに向かった。


亀田は腰を低くして、2人を見送った。

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