第41話

受付の美女2人は真緒とルキを一瞥する。


「あの、今日、13:00に亀田透さんと会う約束をしている者ですが。」


「少々お待ち下さい。」


そう言って、受付の人が電話をかける。

しばらく会話をして、受話器を置く。


「亀田は5階の会議室に居ますので、

そちらのエレベーターからお上がりください。」


「はい、ありがとうございます。」


「ごゆっくり。」


受付の美女2人はお辞儀をする。


それを、真緒とルキは見届けると、エレベーターに乗り込む。

5Fのボタンを押し、真緒は一息つく。


「どんな人なのかな?」


「うまく騙されてくれるやつだと嬉しいけどな。」


「そうだね。」


軽く会話をしていると、目的の5Fについた。



5Fについて、エレベーターを降りると、幾つか部屋があった。

そして、奥の右側の日当たりが良い場所に、会議室と書かれた扉があった。


「きっと、彼処に亀田透って人がいるんじゃないかな?」


真緒はそう言って、ルキを見る。


「演技開始だな。」


ルキは真緒の手を取り、手を繋ぐ。


「あっ…恋人設定ね。

頑張る!」


手を繋ぐなんて、大学生のときに付き合った彼氏以来していないから緊張する。

真緒とは対象的にルキは平然とした顔をしている。


ルキは緊張しないのかな?それとも向こうの世界では慣れっこなのかな?


そう考えると、ルキの顔でモテないわけがないよね。

しかも、第3王子だし。

いろんな女性が言い寄ってくるよね。

少し複雑な気分だ。


「真緒、そんなに怖い顔でどうしたの?」


「あ!ちょっと気合を…ははっ。」



いけない、集中しないと。


雑念を振り払い、高鳴る心臓を押し殺して、演技に集中する。



真緒はルキの手をぎゅっと握ると、行こうといった。




会議室に行くと、コンコンとドアを叩いた。



中から、女性の声で「今開けます」と返事があった。



待っていると、ドアが開いた。


秘書らしき女性が出迎える。

そして、奥の机に男が椅子に腰掛けていた。

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