亀田出版社

第37話

吸血鬼は気まぐれな特性なのだろうか…?


それとも、人間をからかうのが好きなのだろうかな?


翻弄するのが趣味とか…?












あれから平凡な日常が続きーー






キスをされた日からルキの様子は至って普通だ。


普通すぎて怖いくらい。



カラコンをしていたらこの世界の人に見えるみたいなので、ルキも気に入って、外出している。


情報集めでもしているのか、はたまた、この世界の事について勉強しているみたいだ。



この世界を満喫しているようだ。






普通、何かしらのアクションがあると思うのだけど…

違ったのかな? 

何の感情も思わない人にキスをするわけがないよね?

私の考えすぎ?

もしかしたら、吸血鬼の世界でキスは挨拶みたいなものなの?





あの日のことは幻??


でも、確実に自分の唇に感触を感じた。



ベットの上で布団を被りながら悶々とする。






「真緒?まだ寝てるの?」


布団の上から、ルキの声がした。



「ひゃあ!」


悩みの種である、張本人の声がしたので、真緒は悲鳴にも似た声を上げる。

そして、驚きとともに布団から飛び出す。



「そんなにびっくりさせた?」


「ルキ!おはよう。

大丈夫だよ。」


「そう…朝ご飯できてるけど?」


「食べるよ!

顔洗ってくるね。」


真緒はそそくさとベットから出て、洗面台に向かった。


「……ふう…。」


ルキは深呼吸した。


「はあ…」


真緒は溜め息を付いていた。



洗面台の鏡を見ながら、真緒は頭をブンブン振った。


「しっかりしろ!

たかがキスじゃない。

何、振り回されてるのよ。」


そうだ…キスなんて、みんなしているし。

社会人にもなって動揺することじゃない。

きっと、事故のハズ!

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