第35話

ルキと真緒が去って…








「恐ろしくイケメンだったな。

佐藤さんにあんなナイトが居たなんてなー。

ライバル登場ってやつかー。」


黒羽根はニヤニヤしながら言う。


「あんなに格好良くて、女性を素早く助ける男は見たことがないな。

あれは、まるでナイトだな。

男としての自信がなくなるよ。」


「柊木さんもすっごく格好良くて素敵ですよ。

あの男の人は芸能人かな?

でも、あんな綺麗すぎる顔は見たことないしなー。

海外の人とか?」


「どうだろうねー…見たことないが。

いやー、色んな国に行ったけど、あんな綺麗な男は見たことないなー…

妖艶な異国を感じさせるな。」


「どんな感想だよ。

まあ、今日のところは引き下がるしかなさそうだな。」


柊木はボソッ嘆いた。



















その頃ーーーーー





ルキと真緒は人気のない路地裏に来た。

路地裏は暗く、誰も居ない。



「ルキ、本当にありがとう。

もう、下ろしてくれてもいいよ。」


「うん。」


軽い声で言う。


ルキはゆっくりと真緒を下ろす。


しかし、声とは裏腹にルキの表情は無表情だった。



「なんで彼処に居るって分かったの?」


「魔法使った。」


「えー…。」


「それより、ねえ、なんで男の人に支えられていたの?」


ルキは険のある声で問いかける。



「…それは…私が飲みすぎたからです…。」


カチンっとキレる音がした。


「それって、警戒心無さ過ぎじゃないかな?」


ルキは真緒と距離を縮める。


「ルキ…?

あの…今日は柊木さん達との飲み会だったからー…。」


真緒はジリジリと距離を縮められ、壁に追い詰められる。




あれ?壁?

私、追い詰められてる?

なんで?

可笑しいな…

悪いことはしていないのに?

ルキに心配掛けたから?



真緒の頭が考えでぐるぐる回る。

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