第27話

その頃…ルキはーーーー










ジッとソファでスマホと睨めっこをしていた。



「時間は20:00…

仕事ってやつはこんなに遅いのか?

いや、でも、真緒は何も言ってなかったし…。」


どうやら、真緒のことが気になるみたいだ。



「もし、真緒になにかあったら…。」


生きていけない。


本能的に危機感を感じる。


でも、吸血鬼の俺が出歩くのは目立つ…



今日の朝は少し血を分けてもらったが、正直足りない。


昨日、魔法を使い、能力を使ったのでエネルギーが足りない。


足りないから、力もあまり使えない。




「さて…どうするか…。」


うーんと考えると、カラコンが目についた。


「いけるか…?」



雑誌で見たメンズ服を魔法で出す。



今風の若い男の人がするファッションに身を包む。


「で…これを瞳に入れる…」


鏡を見ながらカラコンを入れる。



「これで、この世界の人になれたか…?」


疑問符だが、これで外に出てみることにした。




ガチャっと玄関を出て、家に鍵をかける。


階段を降りると大家の松田芳子が掃き掃除をしていた。



「松田さん、こんばんわ!」


松田芳子の後ろから声をかける。


ゆっくりと松田芳子は振り返る。


少し、ルキは緊張する。


これで叫ばれたら…どうする…?


脳裏によぎるーーーー







「ん…ギャアアアアー!!!!」


松田芳子の叫び声が辺りに響く。

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