第26話

「お待たせしましたー。」


明るい調子でカレンが第一声を言うと、柊木とその同僚が顔を上げる。


「カレンちゃんと佐藤さん!

待ってたよ。

先に入っててごめんね。」


「いいえ、お気遣いなく。

そのほうが分かりやすくて助かりました。」


「佐藤さんは真面目だね。

まあ、2人とも座って。」


柊木に施されて、真緒とカレンは席に座る。


「2人とも、まずは何を飲む?」


柊木がさり気なくメニュー表を渡す。


「柊木さん達は何を頼んだんですか?」


「俺たちはビールだよ。」


「では、私もビールで。」


「真緒がビールなら、私も!」


「なら、4人共ビールだね。

食べ物は…」


「柊木さん達にお任せします。」


真緒がそう言うと、柊木は頷いた。



柊木は手慣れた様子で店員を呼び止めると、飲み物と食べ物を注文した。


しばらくして飲み物が4人分きた。



「では、今日もお疲れさまでした!

乾杯ー!」


爽やかな声で柊木がいうと、その後で軽やかな声が続いた。


「ゴクッ!ゴクッ!はあ~!」



真緒はドンッとコップを置く。


「嫌だ真緒、おじさんくさーい!」


「なんか、飲みたくて…。」


「佐藤さんもお疲れかな?」


「ははっ…まあ。

あっ、柊木さんのお隣の方を伺ってなかったですね。」


「そうだー。

私も初めて会うかも!」


「あ、こいつの紹介がまだだったね。

最近、海外出張から帰ってきた、黒羽根 奏だよ。」


「どうも、初めまして。

3年間、海外出張にいって、最近帰って来たんだ。

こんな美女お二人と飲めるなんて光栄だね。」


切れ長の瞳で真緒とカレンを見つめる。

ラテン系の情熱の国のようなセクシーさを醸し出している。


「黒羽根さん、お上手~!

よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。」


「佐藤さんと飯田さんは趣味はあるかな?」


「私は綺麗な海で泳ぐことかな!」


カレンは趣味をアピールしていた。

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