フリージャーナリスト

第23話

真緒はスマホで怪しい番号にかける。


プルルと呼び出し音が数回鳴る。



「はい!フリージャーナリストの亀田 透です。」


威勢のいい男の声が聞こえる。



「あ…ネットを見てお電話したんですが…。」


「はいはい、どの記事ですか?」


「あの、巫女一族の…。」


「あー…巫女一族ね。

亜衣様に会いたいの?」


「会いたいというかー…」


返答に困ると、ルキは占いと小さな声で言った。


「そう、占い!占いをしてもらいたんです。

居場所、ご存知なんですよね?」


「あなた、お金あるの?」


「はい!あります!たんまり!」


「そう。なら、まずは俺の面接をクリアしてからの紹介になりますね。

亜衣様も忙しいからね。

それに、人伝いじゃないと会いたがらないのよ。」


「はあ…構いませんが…。」


「じゃあ、今週の日曜日に亀田出版社まできて。

13:00ね。亀田 透って受付に言えばいいから。」


「はい、ありがとうございます。」


「金も札束…分かるよね?」


「はい…。

もちろん準備いたします。」


「話が早くて助かるね。

じゃ。」


プッツと一方的に通話が切れた。


「とりあえず、亀田って人の紹介がないと会ってくれないらしいよ。」



ルキにありのままを伝える。


「札束ね…。

えい!」


ばさばさっと部屋の中に諭吉の束が出てきた。


「エエエエー!!」


真緒の目が点になる。


「これが魔法。」


「魔法って…怖い。」


こんなのが人に知られたら、ルキが悪党に誘拐される。

そして悪用される。


真緒は少しゾッとした。

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