赤い瞳の男に出会ってしまった

第3話

大学を卒業し、上京してきてはや3年。


友だちもできて仲の良い同僚にも恵まれて何処にでも居る一般の社会人。


のはずだが、おかしい。


赤い瞳の人間離れした容姿の男に突然、腕を掴まれているのだろうか?


しかも、腕から血を流している。

地面に向かって血が滴り落ちているよ。


挙句の果てには、「血が欲しい」とまで言われた。


「はい!!!?

血ってなんのことですか?」


「そのままの意味で、血が欲しいんだ!」


男の言っている意味がさっぱり分からない。


「離してください!けけっ、警察呼びますよ!!!?」


必死で男の手を振り払おうとするが、力が強くてなかなか難しい。


「少しだけでいいんだ!」



もう、恐怖で頭が混乱してきた。


早くこの場から逃げたくて、逃げ出そうと足を一歩、前に出そうとした瞬間

グイッと男に抱きしめられた!


「っっつ!!!!!????」


状況が飲み込めずに混乱する間もなく、男顔が首筋あたり近づいてきて…


ガブッ!!


「いッッツ!!!」

声にならない叫び声が上がる。


男は真緒の首筋から血を飲む。


激痛なんてものじゃない。

身が引き裂かれるような痛みだ。


「ッハアー!生き返った!」


男の生き生きとした声が夜道に響く。


一方、血を吸われた真緒はゆらゆらと頭を揺らし、今にも意識が飛びそうだ。


『私はなぜ、血を吸われてーあー…目眩が』


ガクッと真緒の頭が垂れた。


どうやら意識が飛んだようだ。


「おーい、お姉さん?」


ペチペチと頬を叩くが反応がない。


…・吸いすぎたか?

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