ずるい私

83話目

ディナータイム


CafeCoCoでは新作のケーキと料理が出たので賑わいを見せていた。


店内は満員のため、スタッフが慌ただしく動いている。


オーナーであるケイも接客やレジフォローなどをして忙しくしていた。



「ケイさん、新作のDPチョコ・ブランデーケーキ、とっても美味しかったです!」


レジ前で女性客が絶賛した。


「それは、お気に召して頂いたようで、ありがとうございます」


「また、食べに来ますね!!!」


「はい、お待ちしております」


「「キャー」」


黄色い声を上げながら、女性客は帰っていった。



「新作のケーキ、思った以上の売れ行きね!」


店長の原田ちよりはケイの隣に立つ。



「そーねー…

在庫、大丈夫かしらぁ?」


「ディナータイムの間は乗り切れそうよ」


「そう!

良かったわぁ」


ケイは機嫌が良さそうに言った。


「なんで、こんなブランデーが入った大人の味のケーキを思いついたの?

CafeCoCoのコンセプトは若い女性をターゲットにした、甘々なデザートじゃなかったかな?」


「そうね…この新作のケーキを食べさせたい相手が居たからよぉ」


眩しい笑顔で言われると、ちよりは何も言えなかった。


「最近、ケイ、機嫌が良いことが多いね…

そのブレスレットをつけてるからなの?」


ちよりはケイの腕についているブレスレットを指さした。


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