この気持ちって…

74話目

夜にケイから電話がかかってきたが無視した。



それから3日後の夜ー






「ピンポーン」



チャイムが鳴る。



ガチャ


「はーい」


何も考えずにドアを開ける。



「あ…」


人物を見て固まった。






「やっと出てくれたわね」


「家にまで押しかけて来て何か用ですか?

これから予定があるんですが…」


「莉蘭、怒ってるの?」


「ー…はあ、何に対して怒るんですか?」


「この前のお店での出来事よ」


「なんで、私が怒らないといけないんですか?」


「じゃあ、なんでアタシの電話に出てくれないのかしら?

出ないのは、立花オーナーのせいで、莉蘭が機嫌を悪くしたからじゃないの?」


「…違いますよ。

なんで私が立花さんに怒らないといけないんですか?」


「…とりあえず、玄関前だとご近所にご迷惑だから、

中にはいってもいいかしら?」


「少しだけですよ。

話が済んだら、すぐに帰ってくださいね」


「…わかったわ」


ケイは部屋の中に入った。


靴を脱ぐと、莉蘭にケーキの箱を渡す。


「これ、食べて頂戴ね」


「…ありがとうございます」


なんで、手土産なんかこのタイミングで持って来るのか?

ご機嫌取りか、それとも、長く居座るつもりなのか…

ケイの腹の中を探る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る