73話目
「立花さん、助けていただいてありがとうございます。
今日はもう、遅いですから近くまでお送りします」
ケイは立花珠里の背中に手を添えた。
「え、ケイさん!?
そんな女の言うことを信じるんですか!?」
莉蘭は真っ直ぐにケイを見つめる。
「ー…行きましょう」
「はい、ケイオーナー」
立花珠里は莉蘭をちらっと意味ありげに見ると、
笑った。
「ー!!!」
莉蘭は苦渋に満ちた表情でケイと立花珠里を見送るしかなかった。
「莉蘭ちゃん、だいじょうぶにゃも?」
「あいにゃも☆さん、お代、此処に置いときますね!!!」
ダンっと1000札を叩きつけるように置くと、バックを持つ。
「か、帰るにゃも?」
「はい!!」
「そうにゃも…
ケッ、ケイさんには言っとくにゃも!
また、次も来るよね?」
「はい、ケイさんにもそう言っておいて下さい」
「はいにゃも☆」
あいにゃも☆は安心したように笑った。
店を出ると、夕方だった。
走る。
家に帰りたかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます