72話目

「うわー!」


告白した男は叫び声を上げながら消えた。



「っと、行きましたね…」


立花珠里はそっとケイから離れた。


「た、立花さん、どういうつもりなの!!?」


ケイは戸惑いと、怒りが混じった様子で言った。


「ケイさん、あの男性、ケイさんをずっと盗撮していました。

だから、ケイさんが危ない目に合わないように、

考えて導き出した答えがキスだったんです。

お陰で、あの男性、ケイさんに2度と近づかないと思いますよ。」


立花珠里は悪びれる様子もなく自信たっぷりに言った。


(はあ!?

絶対嘘に決まってる!

ケイさんを狙ってるのはアンタじゃないの!?)


「ケイさん、嘘だよ!

諦めさせるからって、キスなんてしなくてもいいんじゃないんですか?」


莉蘭は立花珠里を睨む。


辺りはピリピリと緊張が走る。





「ー…莉蘭」


ケイは莉蘭を一瞥した後、はあっとため息をつく。




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