70話目

「あーゆー、かっこいい男の人ですか?」


「え?」


立花珠里は客である若い男に近づく。

そして、耳元でささやく。


「ねえ、あなた、毎日のようにここに来てるわよね?

ケイさんのことが好きなの?

告白するならいい機会よ?」


誘惑するように言う。


「え…」


「ケイさんの恋愛対象って貴方みたいな男性かもよ。

私が保証してあげる」


悪魔のように甘い言葉を吐く。


ガタッ!!


椅子から立ち上がり、男はケイの目の前に立った。


「「「‼‼!?」」」


莉蘭たちは何事かとビックリした。


「このカフェで貴方と出会い、一目惚れして以来、ずっと毎日貴方の顔を見に通ってました!

倉良圭人さんが好きです!

俺と付き合ってください!」


男は手を差し伸べる。



ざわッ


お店は騒然とした。


「ええ、ケイさんが告白されてる!」


「AXILE風の人だー!

かっこいい!」


「美男&美男過ぎて薔薇色なんだけど!」



きゃっと黄色い声があちこちしだす。


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