第52話

「凉ちゃん…好き…」


莉蘭は凉太に顔を近づけ、キスをしようとする。



「ぉい、莉蘭、ここは映画館だぞ」


「周りは誰もいないし、みんな映画に夢中だよ」


「仕方ないなぁ…んっ」


凉太は莉蘭にそっとキスをする。


チュッと小さな音が響いた。




「………。」




莉蘭は一瞬動きを止め、考えるそぶりを見せた。



「莉蘭…どうかした?」


「んっ⁉︎

やっ、全然…」



そう言って、莉蘭は映画の方に顔を向けた。


凉太は首を傾げ、自分も映画に集中する事にした。

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