第49話

「ケイさ…んん、もっと…ちょうだい」



ケイの顔を引き寄せ、自分から夢中になって舌を絡めた。


目の前の男は彼氏じゃないことなんて分かっている。


けど、止められない。


「ん、ふ、っ、ん。」


息をするのも忘れてディープキスをする。


それに応えるように、ケイも口内を犯していく。




(ケイさんの舌が私の中で厭らしく動いてる…

身体が熱くなってくる…

歯止めが効かなくなりそうだよ)




大切な人は誰だったかも忘れて


開かれていないドアを開け


その先へと


進んでしまいそうになる自分がいた。



目を瞑って身を任せようとした時、凉太の笑顔が浮かんだ。




ハッとした。




(違う!!

こんな事、駄目!

私には凉ちゃんがいる)





莉蘭は理性を取り戻した。

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