第43話

「やぁね、アタシはカフェのオーナーよ!

料理が下手くそだったら、経営なんて出来ないわよ。

一般人とは違うの。

アンタはアンタらしく頑張んなさい」


「ケイさん…いや、姉御〜!」


「なによ、姉御って⁉

せめてオネエにしてくれないかしらぁ?︎

変な子ね…ほら、飲んで飲んで」


眞帆のグラスにビールが注がれる。


「オネエも飲んでよ〜」


並々と日本酒を注いだ。


「さっ、グイッとー!」


グラスを持ち、無理矢理ケイに飲ませた。


「えっ⁉︎あっ、んんっ!」


ごくんと全部飲まされた。


「ちょ、眞帆、無理やりすぎでしょ!

ケイさん、大丈夫ですか?」


「い、いいのよ。

慣れてるから」


「そうですか」


心配する莉蘭をよそに、眞帆はケイの側に来て、絡み出す。


「ねぇ、オネエの今まで付き合った人ってどんな人なの⁉︎

知りたい!」


「私も知りたいかも…」


「ぇえ…アタシの話なんてつまらないわよ?」


「そんな事ない!

オネエの初めて付き合った人は男性?

女性と付き合ったことはないの?」




暫く、ケイは目を伏し目がちにしてグラスを揺らす。


そして、語り出した。

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