第41話

「ケイさんの部屋って、美しいですねー。

なんか、セレブの部屋っぽい!?」


「あら?

これでも、セレブの部類に入ってると思うけど?」


「そうでした、”夜カフェ界の帝王”の異名を持ってました」


「なにそれ、面白いー」


「眞帆は知らないよね。

ケイさんは若くして人気の夜カフェを3店舗手掛ける”夜カフェ界の帝王”って呼ばれているの」


「ちょっと、なにそれ!

すごいじゃん!

美しい上に経営者!?

モテるのも納得だね。

怪しい人たちがケイさんを狙うわけだ」



「経営者っていっても、ただのカフェのオーナーよ

さ、座って頂戴。

お酒とおつまみ用意するわね」


ケイはキッチンに立った。


莉蘭と眞帆は椅子に座る。



「なんかさ、キッチンに立つ女を

ニヤニヤして見てしまう男の気持ちがわかったかも」


「はあ?

どういう気持なの?」


「ほら、綺麗な人が自分の為に、何を作ってくれるのかドキドキするじゃん。

そのドキドキ緊張する感じが、男になった気分!」


「そーなの…」


じーっとケイを見つめる。


ケイは流れるようにキッチンで作業をしていた。

その所作は美しく、見惚れてしまう。


美味しそうな炒め物の匂いと、揚げ物の匂いがしてきた。

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