第37話

「好きな人に近づきたい気持ちはわかります。

でも、好きな人を傷付けては駄目ですよ…

私もそんな経験があるから、貴方に忠告したいと思います。」


莉蘭は悲しそうに女に言った。


「あんた…も…あるの?

好きな人を傷つけたってことが?」


「はい、独りよがりの態度で、大切な人を傷つけました。」


莉蘭の話に耳を傾け…

女は莉蘭の顔を見た。


「そっ…う…そうなのね…。

私、やり方を間違えました…」


女は力なく項垂れた。


「好きだからこそ、距離の図り方を間違えたんですよね?

きっと、事情を話せばケイさんも分かってくれます。

あの人は素直に話す人には理解がありますから…」


「あんた…優しいね…

分かりました。

ケイさんに謝りたいです…」



「今、呼んできます」


莉蘭はケイのもとに行き、事情を話した。



そして、ケイが女の目の前に立った。



「ケイさん、怖がらせてすみませんでした!

もう、二度とストーカーはしません!

だから、警察には言わないでください」


女はケイに土下座する。

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