第34話

莉蘭と眞帆はケイを見つめた。



「アタシ…男なのに情けないわね」


「ケイさん、誰だって、知らない人に付けられたら怖いですよ。

だから、自分を責めないでください。」


「莉蘭、有難う。

今は、貴方達に甘えるわね」


「はい、甘えて下さい」


「お礼、期待してますよ」


ニヤリと眞帆は笑う。


「相応のお礼はさせていただくわ」





莉蘭と眞帆は怪しい人物に近づく。




「あのっ‼︎」


莉蘭が声をかける。


「っ⁉︎」


怪しい人物は、まさか声をかけて来るとは思わなかったのか、ビクッと体を硬くした。


「さっきから、ずっとついて来てますよね?」


「なっ、何のことですか⁉︎」


怪しい人物が喋った。


「だから、30分以上私達の後をついて来てましたよね?」


「はぁっ⁉︎

かっ、勘違いじゃないですか⁉︎」


「勘違いにしてはずっと、同じ方向をあるくなーっと思って。

それに、ずっと後ろにいるって可笑しくないですか?

私達、ゆっくり歩いていたんですよ?」



「そんなの知らないわよ!

わっ、私も歩くのが遅いの‼︎」



女は喚き出す。

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