第29話

「こんな深夜に電話?

もしかしたら、彼しぃ?」



眞帆がニヤニヤしながら言う。


「もー、…はい、もしもし」


『もしもし、莉蘭⁉︎』


「えっ、ケイさん⁉︎」


「誰⁉︎」


「元バイト先のオーナー」


「えっ、オーナーが何のよう?」


「さぁ…?」


『莉蘭‼︎

助けて、お願い!』


ケイの切羽詰まりの声に、莉蘭は驚く。



「えっ⁉︎

ケイさん、どうしたんですか⁉︎」


『変なの…

誰かにつけられてるような気がして…

怖いのぉ!』


「ぇえっ⁉︎

つけられてる⁉︎

ケイさん、今何処ですか?」


『自宅付近のコンビニに避難してるんだけど…このままじゃ、家に帰れないわ…

男だから、警察には頼れないし、どうしたらいいのかしら…はぁ…』


「分かりました、ケイさん、そのコンビニに行きますから、ジッとしていてください!」


『莉蘭…有難う。

待ってるわね』


電話を終えた。

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