第12話

「何って、凉ちゃんと触れ合いたいから、触ってるんだよ?」

「ちょっと、莉蘭、触らないでくれないかな‼︎」


パシッと莉蘭の手が払い除けられた。

それは、拒絶の意思だ。


「っつ‼︎‼︎⁉︎」


莉蘭はビックリして、凉太の顔を見た。



「凉ちゃん、どうしたの…?

わたし、嫌なことした…?」


莉蘭は悲しそうに言う。


「ごめん、莉蘭。

疲れてそんな気になれないんだ」


凉太は強い口調で莉蘭に言った。


「え?

でも、凉ちゃ…ん…ここに来たってことは、おっけいしてくれたんじゃないの?」

「ごめん、とにかく、今は疲れてるんだ…

シャワー浴びてくるよ…」


凉太は莉蘭を避ける様に風呂場に行った。


残された莉蘭は拒絶されたショックで、言葉を失っていた。


「なっ、なんで…

私たち、付き合って半年なのに…

なんで、えっちが出来ないの?」


期待していた通りにはならず、むしろ、恋人に手を払い除けられ、スキンシップを拒否されたショックはあまりにも大き過ぎた。

何もしなくても、勝手に莉蘭の目から涙が溢れてくる。



「うっ、ぅうっ、わたし、振られるのかな…」


やっとつかんだ幸せなのに…

呆気なく今日で終わりなのかな?

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