第9話

「ー…あの人…

間違いないわ。

はぁ、急展開になったわね。

莉蘭…大丈夫かしら…」

「もしかして,ケイ、寂しいの?」

「えっ、

何言ってんのよ?」

「今回はうまくいってて、ケイに全然相談しにこないから、寂しいんでしょう?」

「そんなわけ…ないわよ」


プイっとケイは顔を逸らす。


「へー、ケイもそんなふうに思うのね。

まっ、コレも妹分の巣立ちと思うしかないわね」

「なにが妹分の巣立ちよ?

莉蘭は妹分になった覚えはないわよ。

あー、なんか、今日はもう帰るわね。

ちより、後はよろしくね」

「はいはい、お酒でも飲んで慰められなさーい」

「五月蝿いわよ、ちより。

じゃあね、お疲れ様」


ケイはサラリというと、バックヤードに戻った。


「ケイがあんな態度するなんて珍しい…

よほど寂しいのね…莉蘭ちゃんが巣立って行くのが…」

「店長、オーダー入りまーす」

「あっ、はいはい、なになにー…」


CafeCoCoは忙しくなり、バタバタしだしていた。

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