第62話

「聖城さん、せっかく来ていただいたんで、構図を決めるを手伝って下さい!」


「ああ、約束だったな。

いいよ。」


「有難う御座います。」


乙葉は道具を持ち、スケッチブックを開いた。


「俺はここにいていいのか?」


「はい!

そのままの状態でお願いします。」


暫くして、乙葉の目つきは真剣なものに変わる。

聖城は真剣な目の乙葉にドキッとした。

心の奥底を覗かれている様な感覚に陥る。


なに、俺は少しドキドキしているんだ?


よく分からない感情に眉間に皺が寄る。


「あの、なるべく、真顔でお願いします。

あと、ゆっくりと上下左右に動いてみて下さい。」


「わっ、分かった。」


注意をされ、聖城は慌てて真顔になり、指示通りに動く。


「うーん…」


乙葉はうねり声を出す。


そして、ささっと鉛筆を走らせる。

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