第61話

「お、お母様、これは違うんです!

事故で‼︎」


「そっ、そう!

事故なの!」



慌てふためく2人に、母親はクスリと笑みをこぼす。


「あらあら、まぁー、熱々ね!若いわぁ。

お茶菓子を置いとくわね。

くれぐれも、節度を守ってね〜。」


ニコニコ顔で母親はドアを閉めた。


「お前の母親に思いっきり勘違いされたな…はぁ。」


聖城はため息をついた。


「すみません、私のせいで。」


「ああ、そうだな。」


ツンっと聖城は顔を逸らした。


「あっ、紅茶どうぞ!」


あははーっと、乙葉は場の雰囲気を変える為に、聖城の前に紅茶を差し出した。


「…いただく。」


結局、ベットに座りながら、紅茶を飲む。


乙葉はニコニコとその様子を見ていた。


「そんなに見られると、気が散るんだが。」


「あっ、すみません、聖城さんが我が家にいるなんて、信じられなくて!」


「なんだそれ?」


「だって、学校では姿を見ることは殆どなかったんです。」


「俺は珍しい生物か?」


「そうかも知れません!」


「そんなわけ無いだろう。」


呆れ顔で笑う。

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