第59話

「さっ、どうぞ、入ってください。」


「ああ。」



乙葉の部屋に入る。


そこは、一般的な女の子の部屋ではなく、画家の様な部屋だった。



部屋に飾られた絵画。


机の上には、絵を描く為の道具がたくさん置かれていた。


「へー、もっと、女の子らしい部屋かと思ったが…。」


「色気がないですよね。

すみません。」


「いいんじゃないか?

あ、壁に飾ってあるのは絵咲さんの作品か?」


「はい、中学生の頃、賞を取った絵になります。」


「へぇ、凄いな。」


感心する様に絵をマジマジとみる


「聖城さん、どうぞ、座ってください。」


「何だこれは?」


「え?座布団…ですが?」


「座布団?」


聖城は固まる。


「まさか、座布団を知りませんか?」


「これに座るのか?」


どうやら、聖城さんは座布団を知らないらしい。

古き良き時代からあるのに!


「あっ、やだぁ、違った!

あら、椅子がない…

ベットに座りますか?」


「は?や、それはさすがに…」


聖城は顔を引き攣らせる。

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