近づく

第54話

日曜日、翔太と出かける。


映画って…恋愛映画ー!


翔太に付き合わされ、恋愛映画を観た後、スタバに入った。


「奢る!」


翔太にいわれたので、遠慮なく奢ってもらうことにした。


「カフェモカ、ドーナツ付き。」


「りょー。」


私はソファ席に座る。


なんで、腐れ縁の翔太と恋愛映画なんか観ないといけないんだ。

地獄の時間だった。

ふーっと溜息が出る。


「お待たせ。

ほらよ、カフェモカとチョコドーナツと普通のやつ。

付き合わせて悪かったな。」


「いいの!

私も恋愛映画なんて久しぶりに観たから…でも、ラブシーン…凄かったね。」


「ぁっ、ぁあ。

あれは、乙葉とみるべきじゃなかったな。

もっと、フランクなやつだと思ったんだけどよ…悪りぃ。」


「あはは…」


そう、ラブシーンが過激で、何度目を逸らしたことか。


「本当は彼女なんかと観るべきだよな。」


「ホントだよー!

早く、見つけなさいよ!

翔太、モテるんだから!

クラスの女の子が、翔太との合コンセッティングしろって五月蝿いんだからね!」


「そうなのか?」


「そーだよ。

でも、翔太、クラブ活動とか忙しいからって言って、断ってるんだよ!」


「まー、実際、ボクシング部で忙しいからよー。」


「ボクシングオタク!」


「その言い草はねーだろ?

これでも、プロを目指してんだからよお。」


「ごめん。」


舌をぺろっとだし、悪戯な笑みを浮かべる。

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