第47話

「乙葉さん、いっ、言うじゃない…確かに、琴臣に惚れる女が多いのは事実…。

乙葉さん、あなたも恋のライバルということね!?

いいわ、その挑戦、受けてやりますわ‼︎」


ビシッと指を指す。


「…ーあー、お肉おいしー。

おかわりもらってこよっかな!」


食事に夢中で、和美の話を全く聞いていない。


スタスタとお肉が置いてある場所に向かった。


「ちょっと、乙葉さん、お話し、聞いてまして〜⁉︎」


和美は慌てて、乙葉に着いていく。


お肉を皿に盛る乙葉に引っ付くように、和美は側に居た。


「あの…一宮さんと居なくて良いんですか?」


ずっと隣りにいる和美に戸惑いの色を浮かべる。


「いいのよ!それに、あなたに張り付いていたら、琴臣と会えるでしょう?

だから、乙葉さんの側に居るわ!」


「そうですか…

あ!!この、ステーキもう一枚下さい!」


お皿をシェフに前に差し出す。

シェフはニコニコでお肉を乗せる。


「うーん、こんなお肉食べたの初めて…」


頬のお肉がとろけそうだ。


「おい、顔がダラしないぞ。」


「あ、聖城さん!

だって、このお肉美味しいんですよ!」


「ああ、A5ランクの肉だから旨いだろうな。」


乙葉の幸せそうな顔に、クスクスと薄ら笑いする。


「琴臣!グッドイブニング!」


「なんだ、お前も呼ばれていたのか。」


「そうなの!こんな所で会えるなんて、神様のお導きなのね!

琴臣、後で、ホテルの夜景を見ながら、愛について語り合わない?」


「いや、遠慮しとく。

絵咲さん、そろそろ小室の演奏が始まる。」


和美の良く分からない誘いを断る。

そして、乙葉の前に手を差し出す。

皿をおいて着いて来いと言っているらしい。


「はい!えっと、わかりました。」


慌てて、皿を置くと、聖城の手を取る。


「あーん、琴臣の意地悪〜!

私も一緒にご一緒させてくださいましー!」


和美も一緒について来た。


3人はステージの前に来た。


3人の目の前にはグランドピアノが置かれている。


トントンっと聖城の肩を叩く。

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