突き動かすもの

第43話

ー金曜日、今日は翔太のクラブ活動が忙しいので、1人歩いて帰宅していた。


すると、車が近づいてきた。


後部座席の窓がゆっくりとあく。


「聖城さん!」


「絵咲さん、今から予定あるか?」


「え?特にないですよ。」


「それなら、車に乗ってくれ。」



乙葉は訳がわからないまま、車に乗り込んだ。


「急に悪い。

電話しようと思ったが、姿が見えたから、おまえを拾うことにした。」


「聖城さん、正装されて、どうしたんですか!?」


着飾っている聖城を不思議に思い、乙葉は聞く。


「一緒に来て欲しい場所があるんだ。」


「?」


車は走り、とある場所に停まる。


「ここは?」


「ホテルだ。」


「はい?」


「今日、ここでパーティーがある。

ペア制で来ないといけないんだ。」



車の後部座席のドアが開けられる。

ビシッと背筋を正した女が待機していた。


「さ、柳さん、絵咲さんをコーディネートしてくれ。」


「かしこまりました、琴臣様。

ささ、絵咲様、こちらに。」


乙葉は引きずられるようにホテルの衣装部屋に連れて行かれ、あっという間に全身コーディネートされ、パーティー仕様にされた。

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