第39話

「絵咲さんは友人と言っていたが…あんなに頻繁に一緒にいるものなのか?」


「へー、絵咲さんって言うのか。

仲良しなんだな。」


「はっ⁈別に仲良しってわけじゃ…」


「でも、あの男が彼氏ではないと知るくらいには話す仲なんだろ?」


「ああ、まぁな。」


「へー、聖城にもそんな子が出来たのか…地球がひっくり返らないと良いけどな!」


「なんだよ、俺にも話をするくらいの仲のいい女子がいたらおかしいのか?」


「聖城のファンクラブの子らが騒ぎ出すぞ。」


「知らないな。

だいたい、勝手にそんなものを作られて、迷惑しているんだ。」


「余裕のある男の発言は違うな。」


「町田、そんなくだらないことを言いにきたのか?」


「はは、からかうのはもうやめておくよ。聖城、担任がお前を呼んでいるぞ。」


「分かった。

行く。」


聖城は屋上をあとにした。



グラウンドにて


乙葉は翔太に呼び出されていた。


「ねえ、翔太、話って何?」


昼休みは明美さんと話したかったんだけどなー。


「なぁ、乙葉、お前、聖城琴臣と関わりがあるのか?」


「…え?」


翔太の言葉に、目を見開く。


「日曜日さ、乙葉の家の前を通ろうとしたら、聖城琴臣の姿が見えたんだよ。

別に、だから、どうしたって感じなんだけど、その、気になってよぉ…。」


「あー…見たんだ。」


もう、誤魔化せないか…

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