第37話

「でも、翔太君がいるのに、乙葉どうするの?」


「え⁉︎なんで、翔太の名前がでてくるの⁉︎翔太とは腐れ縁だよ!」


「なによ、腐れ縁って?

子供の頃からの付き合いでしょう。」


「切っても切れない腐れ縁ってことー!」


乙葉は面倒臭そうに、自分の部屋に戻っていた。


「まぁ…翔太君…可哀想。」


母親は嘆いた。



乙葉の家の玄関前で、聖城は乙葉の家を見上げた。


「家か…今度、お邪魔しても良いかもしれないな…絵のモデルもすることだし…。」


聖城はポツリと言った。


その様子を見た運転手はニッコリと笑い、聖城に近づく。



「琴臣様、次の予定の時間が迫っております。」


「ああ、分かった。」


聖城は車に乗り込む。


その時…


「えっ?

アイツは聖城琴臣か⁉︎」


聖城の姿を遠くから翔太は確認した。


「なんで、アイツが乙葉の家の前に居るんだよ⁈」


思いもよらない人物の登場に、翔太は驚きを隠せない。

いつの間に、接点を持っていたのか、謎が深まる。


車は走り去っていった。


翔太は訳がわからず、乙葉の家と車を交互に見た。



こうして、聖城とのはじめてのお出かけは充実したものとなった。

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