第15話
「はい、失礼します。」
恐る恐る音楽室の中に入る。
「…やっぱり、お前、変なやつだな。」
「へ、変ですか?」
「まー…うん。
中庭で見たときはそんなに不審な挙動はしていなかったじゃないか。」
「あ…あれは…友達だったから…。」
「ふーん。」
「今は…聖城さんがいるので…。」
「俺の前だと不審な挙動になるのか?」
「だって…あの…ああ」
言葉がうまく出なくて、どもる。
もう、何でそんな事を聞くの!?
まるで、尋問されているみたいだ。
「ククッ…やっぱり変なやつ。」
聖城さんは面白そうに笑う。
笑ってる…
聖城さんの前だと何時もの自分のようにはいかない
そんな自分が可笑しくて、恥ずかしい。
聖城さんがピアノの前に来ると、いすに座った。
そして、弾き始める。
あ…
これ、いつも弾いている曲だ
綺麗なメロディーが音楽室に響き、私は耳を澄ます
間近で聞く。
聖城さんのピアノは別格だ。
やっぱりプロ…?
シンっと辺りが静まる。
私は聖城さんを見つめる。
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