秘密の時間

第2話

毎週、水曜日は私の秘密の時間が始まる


誰にも教えていない、大切で愛しい時間なの。


もう少しでホームルームが終わる!



「はい、今日はここまで。

気をつけて帰れよー」


担任はサッと教室を出ていく。


ざわざわと教室が騒々しくなる。


「乙葉ー。」


「翔太!」


気怠そうに声をかけてきたのは、昔からの腐れ縁の三澄翔太。

家が近いので、毎日、自転車で二人乗りをして登下校している。

勿論、学校には内緒。




「今日はクラブがあっから、先帰るか?」


「勉強したいから、待ってる。」


「そうか、じゃあ、クラブが終わったら教室に迎え来るなー」


クールに手を振りながら、教室から出ていった。



「乙葉、今日も三澄君と帰るんだ!

本当に付き合ってないのー?」


クラスの女の子がからかうように聞いてくるけど、本当はこの子は翔太の事が好きみたい。

だから、言う。


「うん、付き合ってもないし、只の腐れ縁。」


「そうなんだー…三澄君、格好良いよねー。」



「そうかな?」


「そうだよー!ボクシング部で超強いし、顔もイケてるし、細マッチョだしぃ!」


「へー、彼女居ないらしいよ。」


「そうなんだ!」


「狙い目かもよー」


「でもさ、乙葉意外と仲良くしている女の子見たことないし…」


「そんな事ないでしょ。」


「乙葉ー、三澄君と合コンセッティングしてよー!」


「気が向いたらね。

あ、ちょっと、寄るとこあるから、バイバイ、また明日!」


早々に話を切り上げ、私はある所に向かう。

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