第75話

数日後ー


生徒会室に再び招集した。


「みな、なにか情報は掴めたか?」


充は皆の前で言う。


「充様、2年生の間で賭博が流行っているとの情報です。

その首謀者は陣中芳樹です」


「ふーん…そうか、証拠を集めて停学に持ち込め」


「はい」


「で、財前さんはなにかあるかな?」


「そうねー…シュエル・塚原君と街を散策してみたのよ…

そうしたら…うふふ…ねえ、シュエル…」


「ええ、万里子さんがナンパにあっているところを助けたんです」


「もう シュエルったら、男らしくて…悪い男から私を助けてくれたの…」


財前はシュエル・塚原をうっとりとした表情で見つめる。



「あー、ただの状況報告ですかね…?」


中木先生は呆れたように呟いた。


「シュエル・塚原君、財前さんを危険から守ってくれて有難う。」


「生徒会長、ノー・プロブレムだよ。

万里子さんに降りかかる危険は僕が守るよ」


ウインクをすると財前は顔を真っ赤にした。



「…で、北條君はなにかあるかな?」


「そうだね…今のところ見つけられなかったかな」


北條流星は笑って答えた。


「そうか、引続き、発見したら報告してくれ。

それと、うちでパーティーをするんだ。

生徒会のみんなに是非とも来てもらいたいんだが、どうだろう?」


一同は顔を見合わせる。


「…いいね!

是非とも参加させてくれないか?」


北條流星は目をキラキラさせながら言った。


その様子を結夏はじっと注目して見ていた。


「まあ、シュエルも来るなら良いわよ」


財前はシュエル・塚原の顔を見ながら言った。


「あれ、財前さんはそんなにシュエル・塚原君を見て…

もしかして彼が気になるのかな…?」


充は微笑みながら聞く。



「ええ!?

き、気に…なんてしてませんわ!」



「…そうか、シュエル・塚原君はそうは思ってないみたいだね?

良いんだよ、恋愛は自由だからね。

この学園にもそういう色は必要さ」


「み、充、何を言ってるのかしら!??」


やだっと財前は顔をぱたぱたを仰ぐ。



「じゃあ、あとで招待状を送らせてもらうよ。

では、解散」


充は生徒会室を出ると、新聞部に向かった。

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