第74話

コンコンー


ガチャっと充の部屋に父が入って来た。


「充、ちょっといいかな?」

「お父様、なにか?」

「おや、結夏さんも居たのかい…」

「宝来様、こんばんわ」

「そうだ、2人とも、ちょうどよかった。

近々、充の生徒会長就任パーティーを開催することにした。」


「パーティですか?」


「楽しみだろう?」


「ええ…はい」


こんな忙しいときにパーティーなんてしていられないんだが…



「それで、生徒会のメンバーや充の世話になっている人たちも呼ぼうと思っている」


「そ、それはまたいい案だと思います」


「そうか…決まりだな!

早速手配することにしよう」


上機嫌に父様は去って行った。



「こんな時にパーティーだと…」


「充様…北條流星も来るのなら、敵を知るいい機会かもしれませんよ?」


「まあ、たしかに。

俺のテリトリーであるから、動きやすいかもしれない」


「ええ、まだ、わたしたちは北條流星を知らなすぎます」


「…結夏…お前は策を練るのが上手い…

今回もこのパーティーを利用し、北條流星を潰す策を考えろ…」


メガネが怪しく光る。


「はい、充様、勿論です」



結夏は断ることも出来るが、何ら言葉に詰まることなく言いのけた。



「…結夏…なぜ俺の事には協力するのに動画は消さないんだ?」


「それは、私がこのゲームが気に入っているからです」


「かりにも、俺が負けたら、その動画が全世界に公開される…

そうなると、仕えていた人の評判が悪くなる…お前もショックじゃないか?」


「いいえ…面白いので、それはそれでいいのでは?」


「う”…」



この女はやはり油断ならなかった。

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