第72話

「では、これからメンバー分けをしたいと思う」


「え、必要なのかい?」


北條流星は意外そうに充を見つめる。


「勿論、必要だ」


「ふーん…面白いね」


口の端が上がる。



「メンバーを発表する。

鷹宮君と春樹君と田中君。

シュエル・塚原君と財前さん。

北條君と中木先生。

俺と真田先生で調査する」


「へー…俺は中木先生とね…」


「え、私は充とが良かったわぁ」


「春樹くんとか…安心だな」


「充様…承知しました」


「ヒヒ…」


「財前さんとね…クス…可愛いガールだ」




各々感想を述べる。



「調査結果は随時報告してくれ。

では、今日は解散だ」


「「はい」」



充は生徒会室を後にする。




その後を、結夏は着いて来た。



「充様…私と組んでよかったのですか?」



結夏が声をかけた。



充は結夏の目を見つめた。



「結夏、お前は俺と組まなければならない。

なぜならば、他のものは介入させない…だろ?」



「………はい…勿論です」



結夏は微笑する。



「結夏…協力…できるか?」



充の瞳が試すような視線で結夏の様子を窺う。




「…はい、充様

私は副担任の前に、充様の世話役です。

なんなりと協力しますよ」


「そうか、その答えを期待していた」


充は怪しく笑っていた。


その笑みはゾクリと背筋が凍る様な笑みだった。



この方は人を…



道具として見ている…



けど、その笑みに私は有無を言わずに従ってしまう。

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