第54話

朝、全校集会が開かれる。



ざわざわと騒々しい。



なぜならば、今日、ここで決まるのだ。



誰がこの学園の生徒会長になるのか



校長は登壇する。


そして、一同を見つめた後…


深呼吸をし、緊張した面持ちでマイクに近づき、話し出す。





「えー、まずはこの学園始まって以来の白熱した生徒会長選…

注目のお二人に壇上に上がってもらおう…

宝来充君!」



生徒の注目が一斉に充に注目する。



そして、ワーっと生徒から歓声が上がる。




やっと北條流星の顔が拝めるんだな…




充はニヤリと笑い、メガネに触れる。



生徒は充に道を開け、充は堂々と開かれた道を歩き出す。



「充様ー!」


「キャー!」


「宝来くーん!」


音楽を奏でるような歓声がとても心地よい。



聖人君子として恥じぬ笑みを振りまく。




そして、一歩一歩踏みしめながら壇上に登る。



さあ、高みへと!



クク…生徒の顔が見える…見えるぞ!



さあ、北條流星はどいつだ!?




「北條流星君!」



さあ、その極悪な顔を見せろ!



生徒を見下ろす。

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