第48話

更にこの女に弱みを握られてしまった。



「お前は…敵なのか?」


「ー………」



結夏はすっと目を細めた。



そして、質問には答えずに部屋から出て行った。



「…謎が多い女だな」















ー東京中央学園高等学校



生徒会室ー




「流星さん、生徒会長を狙っているらしいわね」



口の動きに合わせて、赤いリップラインが艷やかに光る。


「ああ、貴方の話題に出てくる宝来充が気に入らないから、潰したいんだよ」



「あら、会ったこともないのに充さんに嫉妬してるの?」


「貴方の唇からその名が発せられるのも気に入らないね」


「流星さんは嫉妬深いのね、うふふ…」


「そう、俺は嫉妬深いんだよ」



そういって艷やかに光る口元にキスをしようとするが、華麗にかわされる。



「まだ、だめよ…生徒会長になるまでは…ね?」



女の口元は狐を描く…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る