第32話
ビッシリと黒板に書かれた文字を後ろにして、結夏は充、春樹、中木の顔を見る。
「これは…素晴らしい…」
充は黒板に釘付けになる。
「では、私が知っている北條流星の情報を報告させていただきます」
「ああ、頼む」
充の言葉に結夏は笑顔で答える。
「北條流星、3‐C組 身長178㎝ O型 射手座 北條グループの跡取り息子。
前の学園では学年成績1位、高校1年にして陸上県大会出場経験あり。
柔道段持ち。
AIvsの計算大会でAIに見事勝つ。
モデル経験ありでパリコレでゲスト主演を果たす。
毎年、前学園で行われていたイケメンコンテストで優勝をする。
昔、映画に主演した経験あり。それが、見事日本アカデミー賞に輝く。
キラキラ眩しすぎるがゆえに、【キラキラ星の王子】と呼ばれる。
祖父は元国会議員、両親は東大卒の凄腕経営者、妹は人気アイドルグループ【A-IDole】のセンター、弟は第二の大瓦谷選手と呼ばれる野球選手。」
「なーんだ、SUPERエリートじゃないですか!」
中木は感心したように頷く。
「ふんっ、何がキラキラ星の王子だ?
いかにも趣味の悪い女たちが考えそうなあだ名だな!」
引きつった笑みで言った。
「あれ…充様、もしかして怖気付いていますか?」
結夏はニヤリと笑う。
「なっ!?」
充の目が見開かれる。
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