第68話

「今日はNo.3のバースディらしいですね!」


「はい、そうなんです。

だから、今日は私も自分の姫は程々にお相手して、Key様をサポートしますよ。」

 

「へぇ…私、いけないタイミングで来ちゃいましたか?」


「好都合ではないですか?

今日はケント以外のイベント…ケントも今日は姫達をあまり呼んでいないはず。

ケントと話せる可能性は高い…かもしれない。

で、ななみ姫はなぜ、改まってケントを指名したのですか?」


カルマの美しい表情は、探る様な動作でななみを見る。


「ケントと話をしたくて。」


「へぇ…この間の姫とのキスを問い詰めるんですか?」


「それでは無いんですが…」


カルマさんにも恥ずかしくて言えない。

それに、カルマさんもケントと同じホストだ。

ケントと“枕”したなんて広まったら、私のプライドが許さない。

しかも、簡単にやられたみたいに思われてしまう。


「へぇ…何かそれ以上のハプニングがあったんですか?」


「ブッ⁉︎」


「あら、図星ですか?」


ニヤリとカルマは笑う。

どうして、この男は察しがいいんだろうか?


「ケントが…ねぇー…。

面白いなぁ。」


クスクスと笑う。


「あの、カルマさん、どこまで想像をしていますか?」


「あー、一緒に寝たとか?」


「ヒッ⁉︎」


「ななみさん、適当に言ったのに、その反応だと、正解を言っている様なものですよ。

本当に分かりやすい姫だ。」


「カルマさん、狡い…。」


むくれるななみを見て、カルマは愉快そうにしていた。


「で、今度はなぜ、私を抱いたのかって、ケント本人に聞きに来たんでしょうか?」


「はぁ…何もかも見透かされる…このヘルプさん嫌い。」


「まぁまぁ、いいんじゃないんですか?

存分に迷うといいですよ。

何か聞きたいことがあれば、いつでも力になりますからね。」


「はい、有難うございます。」


「あと、一緒にデートする件…楽しみにしていますよ?」


「はい、分かってます。」


「ケントには内緒です。」


ウィンクされた。

いけないことをしているみたいで、ドキドキする。

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