第52話

「あ…ケント!?」


振り返ると、息を切らしたケントがななみの手を掴んでいた。


「こっちにきて!」


半ば強引に手を引く。


「ちょ、ケント!?

痛いよ!」


「黙って…」


なにやら怒っているような様子のケント。


ななみは黙ってケントに従った。



人目を避け、連れてこられた場所…



「!!!?」


「入って。」


ななみはびっくりする。

そこは、ラブホテルだったからだ。


「け…ケント!?」


「…。」


ケントは無言でパネルを操作し、適当に部屋を選ぶ。


「着いてきて。」


言葉に怒りを感じ、無言でうなずく。


エレベーターに乗り、部屋の前に到着する。


ケントはドアを開ける。


そして、ななみの手を掴み、強引に引っ張った。

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