第51話

「あの…ケントは別に悪くないんです。

私の理解が足りていないだけだった。」


ななみは切なそうに嘆いた。


「へえ…客とキスをしたケントをかばうんですか?」


カルマは面白そうにななみに聞く。


「ケントは頑張って働いている。

No.1なんて簡単に取れるわけがない。

大金を使う女の人が見返りを求めても不思議ではないのかもしれませんね!」


泣きそうになりながら、言葉を発する。


あー、本当は全く納得していないんだろうな…

その耐え忍ぶ顔…美しく、とてもセクシーだ!


カルマは興奮していた。


「カルマさん、お礼は後日必ずするので、今日はもう、帰ります…。」


「はい、分かりました。

ななみさん、何かあったら直ぐ電話してください。」


「はい、有難うございます!」


カルマは満足したのか、大人しく引き下げって、お店に帰っていった。


「ナツキも戻った方が良いよ…

お仕事中でしょ?

私はもう平気だから。」


「ななみ…分かった。

俺になにか出来ることがあったら言ってね。

ななみのためなら、すぐに駆けつけるから!」


「ナツキ、有難う。」


「じゃ…」


ナツキは仕事に戻っていった。


二人が姿を消したので、ななみは立ち上がる。


「帰ろ…」



ふらふらと歩き出す


「待って!!」


手を思いっきり掴まれた。

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