飾らなくてもいいから、ただ愛して。

第48話

ビル１Fー

階段の踊り場を見つけた。

早く帰ればいいのに座りたくなった。

暫く、ここで泣こう…

そう決めた。

ヨロヨロと歩き、階段踊り場に腰掛ける。

そして、一気に泣く。

「ぅう…ぁあっ、ぁ、チャラぃ！」

小さな声で発する。

多分、周りには聞こえていない筈。

が…

「ななみ！？

チャラぃってどういう事⁉︎

てか、なんで泣いてるの⁉︎」

「あー…。」

なんで、こんな時に知り合いに会うんだろう…

ナツキが心配そうに立ち尽くしていた。

「ナツキ、なんで…」

「や、姫に頼まれて、タバコの買い出し？」

「そっ、か…」

泣いていたので、上手く喋れない。

「えっ、何？

ななみ、誰かに泣かされたの？

大丈夫？」

質問責めでナツキは近寄って来る。

「ちょっと、ね…」

「なんだよ、ななみを泣かせるなんてどこのどいつだよ⁉︎」

ナツキは眉間に皺を寄せる。

ナツキがキレてるよ！

なんで⁉︎

「ナツキ、心配しないでー…」

「ななみさん！」

「えっ！？」

ななみは目線を上げる。

そこには、心配そうにななみを見るカルマが立っていた。

カルマさん⁉︎

なんで、もう、今日は終わった筈じゃ…