第46話

カルマに冷静になれと言われ、ななみはグラスを持ち、チビチビとお酒を飲む。


さっきから、イライラが止まらない…

なんでかな…

ケントはホストとして仕事をしているだけなのに

女に絡むケントを見ていると、心がざわめいてしまう。

可笑しい、そもそも、ケントなんか、好きじゃないし…

私が好きなのは昔の健太であって、今のチャラいホストのケントではない

だけど…

なんで、こんなに気になるの?



「カルマさん…私、耐えているようで、それが出来ないかもしれません。」


「は?」


あー、恋する女って大変だな…

悩んで苦しむその表情が良い…

相手を純粋に思う気持ちが美しい…

俺にはその感情がない

だから、それが羨ましい…


カルマはななみを見つめた…


ななみの視線の先には、ケントが居た。




「有美、飲みすぎた?」


「うーん…そうかも?」


有美は甘えるようにケントに自分の顔を擦り付ける。



そして、有美は顔を近づけ…



「!!!!!??」



ななみはケントを呆然と見る。



キス…



してる??



ななみはショックに顔を歪ませる。





「キ……す……。」



2人は離れる気配がない。



なんでよ…

早く離れなさいよ!

ケント…あの言葉はうそだったの!?

姫には常識の範囲内で遊んでほしいって…

ケントにとってキスは常識の範囲内だったんだ…

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