第42話

ななみに何時でも触れられるように距離を縮め、わざとケントにバレるようにし、それを見たケントに嫉妬させる魂胆だった。



カルマはくすっと笑う。


「あー、カルマさん、この状況を面白がってますか?」


「いえいえ、そんなー…」


おっと、また、悪い考えが…

カルマはポーカーフェイスに戻る。



「もう!

今日はケントはまだ出勤していないんですか?」


「ええ。

ケントは姫といつも同伴で来ます。

人気者ですからね。少しでもケントと居られるように、姫たちはあらゆる手段でケントと約束を取り付ける。」


「…へっ、へぇー…。」


嫌なこと聞いちゃたな…

でも、それが、ケントの仕事なんだ…。

私がどうこう言える立場ではないんだから。


ななみはグッと耐える。


カルマはさりげなく、ななみの様子を観察していた。



「さっ、初回ですから、初回っぽく、お酒でも飲みましょうか。」


「はい、軽めのお酒でお願いします。」


「かしこまりました。」


カルマにお酒を注がれるという、贅沢な行為をされ、ななみは謙遜した。


「なんか、初回でNo.2のカルマさんにお酒を注がれるなんて…申し訳ないです。」


「ななみさんが気を使う必要はないんですよ?今は、私が相手をしているんですから。」


カルマはななみの手を握る。


「え…?」


ななみはぽかーんとする。

が、その時ー

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