第36話

「ナツキくん、どうしたの?」


「あのさ、もしかして…」


「ん?」


「幼馴染みって…」


「え…!!?」


もしかして、ナツキくんにバレた!?






「カルマさん!!?」


「へ?」


ななみはポカーンと口を半開きにする。


 

「ななみの名前知ってたし、カルマさんと知り合いでしょ?」


勝手にナツキくんは誤解している。

でも、グッジョブ!


「知り…合いなのかな。」


「そしたら、恋をしようってななみに言ったのも納得なんだよなー…」


「え、どうして…?」


「カルマさんって、噂では、色恋営業の典型で、結構、すぐ抱くらしいんだ。」


「抱くって?何を?」


「あー…まあ、分からないなら良いんだ、うん。」


ポリポリと顔を恥ずかしそうに掻く。


「あー、でも、そうか、カルマさんかよー…

バリアスのNo.2か!勝ち目ないかー

いや、もしかしたらワンチャン…」


話がナツキのなかで勝手に進んでいる。


「あ、エレベーター乗ろうよ。」


ななみはナツキに言う。


「あっ、ごめん!

乗ろう。」


ナツキはななみを優先する。


エレベーター内…



「あのさ、カルマさんとの間には何もないから。」


「ななみ?」


「これ以上は何も語らないよ。」


「え!幼馴染みだけど、何とも思ってないって事?

それって、俺にもチャンスがある?」


「ん?チャンスって…?」


「何でもない!

うん、イケるかも…。」


ナツキは嬉しそうにガッツポーズをしている。


本当にナツキくんは話しやすいし、付き合いやすいなー。

雰囲気も明るいし。


気楽ー♪


ななみの気持ちは軽やかになる。




リースに戻ると、須藤は帰る準備をしていた。


「あっ、戻ってきたなー!

遅いぞ!」


「ごめん、須藤さん、おまたせ!」


「いいのよ!

初めてのホストクラブなんだから!

設楽さんもナツキ君と楽しんだみたいだし…」


須藤はニコニコと満足そうに笑う。


「色々あったけど、楽しかったかな。」


「涼君、ナツキ君、またくるね♪」


「おー、比奈ちゃん、帰ったら連絡頂戴!」


「はーい!」


須藤は涼に言った。


「ななみ、これ、おれの番号。

よかったら、いつでもかけて!」


「ありがとう。」


とりあえず、受け取った。



2人に見送られ、夜の非日常が終わる


ななみは家に帰り、鏡を見ると、キスマークが付けられていることに気付いた!


あー!もしかして、カルマさん、これを見て、私にあんな事を聞いて…


ななみはプルプルと羞恥心と怒りで震えた。

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